2012年5月15日

孤独なツバメたち~デカセギの子どもに生まれて~

 
先日シズオカサンバカーニバルでお邪魔した静岡市をはじめ、浜松市、群馬県の太田市や大泉町など、たくさんの日系ブラジル人が暮らす街があります。2008年、浜松の日系ブラジル人の青年たちと出会った中村真夕監督が、厳しい現実のなかで強く生きる彼らの二年半を追ったドキュメンタリー映画が、東京でも5月下旬から公開されます。

 


孤独なツバメたち~デカセギの子どもに生まれて~
中村真夕監督からのメッセージ

2008年夏、テレビの取材で浜松の日系ブラジル人の青年たちと出会い、彼らの魅力に惹かれ、個人的に彼らのドキュメンタリー撮り始めました。この映画の制作を始めた 直後にリーマンショックが起こり、この作品に登場する多くの青年たちが職を失い、家族、友人、恋人と引き裂かれブラジルに帰国しました。そんな彼らの姿を浜松とブラジルで二年半に渡り追いました。日本で育ちながらも、外国籍のため義務教育外にあり満足な教育も受けられず、親と同じ工場労働者となり不安定な生活状況に置かれていながらも、その運命を受け入れ、強く明るく生きる彼らの生き様を多くの人々に知ってもらいたいと思っています。

つの故郷の間で揺れ動く、日系ブラジル人の若者たちの知られざる青春

 「日本で将来の夢はない、ブラジルに帰っても外国人あつかいされる‥」
そんな日系ブラジル人の子供たちが静岡県浜松市にはたくさんいる。彼らは幼い時、デカセギの親と共に日本にやってきた。日本で生まれ育っても、ブラジル国籍のため義務教育が保障されておらず、多くの子どもたちは中卒か、中学も中退して、工場で働いている。夢があってもそれを叶えるすべを知らず、安定した仕事にもつけない。しかし彼らは、どんなにつらくても、生き生きとして、底抜けに明るい。2008年秋、突然、おとずれた不況で仕事を失い、ブラジルに帰ることを余儀なくされる。そこには、あきらめきれない夢、引き裂かれた愛、そしてもう一つの故郷でやり直そうという思いがあった‥。「孤独なツバメたち」は、浜松学院大学の津村公博教授と映画監督・中村真夕、そして日系ブラジル人の青年たちのグループ・Minority Youth Japanの共同製作で、浜松そしてブラジルで孤独な渡り鳥のように、自分の居場所を求めて生きようとしている5人の若者たちの二年半を追ったドキュメンタリー。

5 月26日から6月15日まで新宿K’s cinema, 6月16日から渋谷Uplink, 6月30日から7月15日まで浜松のシネマイーラ、その他、全国の劇場で上映予定

監督:津村公博 中村真夕
プロデューサー:津村公博
撮影:中村真夕 津村公博 村井隆太 木村伸哉 佐藤アユミ・パウラ
編集:中村真夕
支援:国際交流基金
後援:駐日ブラジル大使館 在浜松ブラジル総領事館 (社)日本ブラジル中央協会
提供:浜松学院大学地域共創センター
配給:アルゴ・ピクチャーズ2011年/日本 ブラジル/日本語 ポルトガル語/DV/カラー/88分

  

「孤独なツバメたち~デカセギの子どもに生まれて~」予告編

 

 

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